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またの名は、エル・パソの紅い翼竜

派遣社員マユのブログです~☆
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  • 04/30/03:32

「死にました」

 とうとう彼氏が風邪でダウン。
 病院にいくことになったので、ついでに付き添いしてきちゃったマユです。
 気分は健介・北斗ペアかな。

 そしたらなんと2時間待ち。
 9時について11時に呼ばれたの。
 なんか舐めてない?
 あたしずっと見てたんだけどちょいちょい後から来た患者に抜かれてるし。
 一方彼氏はと言うと、もうホント健介みたいに大人しくしちゃってついにはうつらうつら舟漕いでるし。

 しかもみんな待ち食らってるから途中でどっか行くバカが居るの。
 じっと待ってろよ。
 どっか行く元気あったら自力で治せよ。
「ヤマダさーん。ヤマダさん、居ませんかー」
 繰り返される看護婦の呼び出し。

「ヤマダさーん。付き添いの方ー」

 増えてるよ。行方不明者増えてるよ。
 付き添いだったらちゃんと付き添ってろよ。

「ヤマダさーん。ヤマダさーん」
 カチン。
 心の中で聴こえた。堪忍貯金箱のロックが外れる音。
 聴こえていい場面だよね?


「死にました」

 あたし、言ってやった。
 一瞬凪いだ。病院内の空気が凪いだ。

 無かった事の様に無視する看護婦。
「ヤマダさーん」
 リアルを実感させてあげるあたし。
「死にました」

「ちょっとあなた、不謹慎ですよ。止めなさい」
 繰り出される看護婦のジャブ。
 だけど人型最終兵器のあたしには効かない。
「山田恵一は死にました。リヴァプールの風になりました」

「何言ってるのあなた。いい加減になさい!」
 語気を強め睨み付けてくる看護婦。

 もうあたしは引っ込みがつかなくなって、看護婦さんには申し訳ないけどライガーボムを見舞う事しか考えられなかった。手札がそれしかなかったから。

 あたしが看護婦さんに掌底を放とうとした。
 その時だった。

 ガチャッと音がしてトイレから携帯電話を手にしたスキンヘッドが現れた。
「ねえちゃん。リバプールの風ってどういう意味や?」

 超ヤバイ。
 ヤマダ、でかい。
 スティーブ・オースティンくらい、でかい。
 ってか誰も笑ってないし。
 何、この病院内に山田恵一を知ってる者はあたし(と彼氏)だけ?

 なんか、ホントに……。


 獣神サンダー・ライガーになっちゃったんだね山田恵一は。
 さようなら、山田恵一。

 とにかくあたしは「病院内での携帯電話とサングラスはご遠慮ください」とだけ告げて外に出た。

 外はとても寒かった。
 病院の専用駐車場に大きくて黒いベンツが止まってた。
 あたしは急いでコンビニでマジックを買ってきて。


 1378と書いてあるそれを4378にしてやった。


 あたしは絶対に負けない。
 受験生のみんな。
 最後の最後まで、例え合格発表の掲示板に自分の番号が無くても、諦めちゃダメだからね。

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